秋分の日。昼と夜が等しくなるこの節目に、私たちは「ケア」の本質に立ち返ることができるのではないだろうか。光と影が交わるように、人の支援もまた、明るい表面だけでなく、見えにくい部分に寄り添う営みだ。福祉の現場では、利用者の声にならない思いに耳を澄ませ、日々の小さな変化に気づく力が求められる。祖先を敬い、命のつながりを感じるこの日だからこそ、ケアとは「生きることを共に考えること」だと再認識したい。昼と夜の境目に立ち、誰かの時間にそっと寄り添う。そんなケアのあり方が、これからの地域や社会を照らす光になると信じている。

〈文・構成 宮口〉