あの頃、空を見上げていた

皆さんこんにちは、こんばんは。スクラムライダーです。
今日は少しだけ、昔の話をさせてください。
幼少期から高校を卒業するまで、私が心の中で温め続けていた「将来の夢」についてです。

Contents

飛べないはずのものが、飛んだ日

まだ幼稚園の年長だった頃。
巨大な金属の塊が、何事もなかったかのように空へ浮かび上がるのを見て、私は言葉を失いました。

どうして飛べるのか。
なぜ落ちないのか。

その疑問よりも先に、ただ純粋に「すごい」と思った。
それだけで十分でした。

あの日から、私の視線は自然と空へ向くようになりました。
将来の夢は、いつの間にか決まっていました。
パイロット
理由は単純で、ただ憧れた。それだけです。

夢に現実が混ざり始めた頃

小学校高学年。
塾に通い、三者面談で進路の話をするようになりました。

夢は大きくても、現実は等身大。
家庭の事情を考えれば、選べる道は限られていました。
公立の進学校へ進み、防衛大学校を目指す。
それが一番現実的だと、大人たちは言いました。

私はその言葉を疑いませんでした。
疑うほど、世の中を知らなかったのだと思います。

頑張っても届かない場所

高校に入学してすぐの実力テスト。
返ってきた順位は、後ろから数えたほうが早い位置でした。

「これだけやって、この程度か」

悔しさというより、虚しさに近かった気がします。
ここで踏ん張れたら、きっと違った未来があった。
でも当時の私は、心が折れる音を聞いてしまいました。

それからの私は、夢に背を向けるように勉強から距離を置き、
部活動に逃げるように没頭していきました。
毎日はそれなりに楽しくて、でもどこか空っぽでした。

最後にしがみついた空

高校3年生。
防衛大学校は、もう手の届かない場所になっていました。

そんなときに教えてもらったのが、航空学生という存在でした。
試験を受ける前、模擬検査で思いがけず高い評価をもらい、
私はまた空を見上げてしまいました。

「いけるかもしれない」

その一言が、視野を狭くしました。
本来なら選ぶべきだった安全な道を捨て、
難関だけに挑み、そして落ちました。

結果は、あまりにも静かでした。

夢のその先で

今なら分かります。
若さは、時に現実を見えなくさせる。
でも同時に、全力で夢を見ることを許してくれる時間でもある。

あの頃の選択が正しかったかどうかは、今でも分かりません。
ただひとつ言えるのは、あの遠回りがなければ、今の私はいないということです。

もし将来、誰かに夢を語る立場になったなら。
叶わなかった夢の話も、きちんと伝えたい。
それもまた、人生だと。

おわりに

今でも、空を見上げることがあります。
飛行機雲がゆっくりと消えていくのを、立ち止まって眺めながら。

あの頃の夢は、形を変えて終わりました。
でも、無駄になったわけではなかったと、今なら思えます。

空に憧れた気持ち。
本気で何かを目指した時間。
うまくいかなかった悔しさや、遠回りした日々。

その全部が、今の私をつくっています。

もしあの夢が叶っていたら、
今の私は、ここにはいなかった。
そう思うと、少しだけこの道も悪くなかったと感じます。

夢は叶わなくても、人生は続いていく。
そして続いている限り、やり直しも、選び直しもできる。

あの空を見上げていた少年は、
今もちゃんと、私の中で生きています。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次のブログでお会いしましょう。

 

〈文・構成 平江〉

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