「秋の気配とデジタル表現──感覚をひらく季節【鹿児島市A型事業所】

秋の気配が街に漂いはじめると、空気の温度や光の質が微妙に変わり、感覚が研ぎ澄まされていく。そんな季節の移ろいは、デジタル表現にも豊かなインスピレーションを与えてくれる。たとえば、スマホで撮った夕暮れの写真に少しフィルターをかけるだけで、記憶の中の秋がよみがえる。音声や映像、SNSの投稿ひとつにも、季節の情緒を宿すことができるのだ。

福祉や教育の現場でも、秋の感覚をひらくコンテンツづくりは有効だ。紅葉の色彩をテーマにしたワークショップや、秋の音を集めたデジタル絵本など、五感を刺激する表現が人と人との距離を縮める。デジタルは冷たいものではなく、季節のぬくもりを伝える手段にもなりうる。
秋は、感覚と創造が交差する季節。デジタルの力で、その交差点に新しい物語を描いてみたい。

〈文・構成 宮口〉

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