一般就労へ向けての質問の仕方

就労継続支援A型カインド事業所では、利用者さんが一般就労に向けて、日々業務を通して勉強し努力しています。その中で絶対身につけておきたいスキルが『質問の仕方』です。私もそうですが、『何かを質問する』というのは難しくまだまだ身についてないと感じております。
そこで今回は私がこれまで勉強や経験で培った『質問の仕方』のノウハウについてまとめてみました。

Contents

そもそもなぜ質問するのか?

『業務が円滑に進むようにするため』です。依頼されたお仕事には納期までに作業完了させる必要があります。質問せずにわからないまま作業を続けるといたずらに時間だけが過ぎ、納期に間に合わなくなり、他の人のフォローやリカバリーが必要になって社内だけにではなく依頼主のお客様にまで迷惑をかけてしまうことになります。

そうならないためにもまずは『質問すること』のメリット、デメリットを理解していきます。

質問するメリット

作業が早く終わる

冒頭でも少し触れましたが、不明点がなくなることで作業に集中でき、質問のやり取りに使う時間を加味しても、結果的に作業が早く完了できるようになります。

自分のスキルアップに繋がる

自分だけで悩みながら作業を進めるより質問することでコツなどを教えてもらうことができスキルアップにつながります。

困ったときにすぐ助けてもらえて、解決できる

先に質問しておくことで上司や先輩から気にかけてもらえるようになり、すぐにフォローしてもらうことができ納期に間に合わせることが出来るようになります。

質問しないデメリット

仕事がいつまで経っても終わらない

わからないままでずっと悩んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまうので、作業完了出来ず、いつまでも仕事が終わらないという負のスパイラルに陥ります。

作業した時間が無駄になる

認識違いや思い込みで作業を続けていると、当初想定していた物と出来上がった物が違った場合に、作業にかけた時間が無駄になってしまうことがあります。

場合によっては信用がなくなる

本人は勝手に進めるている意識はなくても仕事を依頼した側は『この人は勝手に進めている』という認識になり、仕事の依頼が来なくなったり、『この人に仕事を任せられない』という事態になってしまう場合があります。

質問する際に意識したい点

質問するタイミング

質問するタイミングも非常に重要です。
なぜならば『質問は相手の時間を使う』ということになりますので、質問する前にまずは『○○の件で質問があるのですが、○分お時間よろしいでしょうか?』といった形で相手にどれだけ時間がかかるのか先に伝える必要があります。

相手に丸投げしない

質問するための準備

・自分で調べる
・不明点をまとめる
・実践した対処方法や調べた参考のURLをリスト化する

わからないと思ったらいきなり質問するのではなく、まずは自分で調べるのがマナーです。また不明点をまとめる事も必要です。説明するのは上司・先輩の役割ですが、大前提として『相手の時間を使う』ということを意識として持っておいたほうが、今後いい関係を築くという点においても重要になってきます。
またキチンと調べてきた相手に対しては対応がしやすくなり『この人のためならいくらでも付き合おう』という気持ちになります。

不明点を具体的に説明する

質問する際にまずは不明点について具体的に説明する必要があります。

『これがわかりません』『進め方がわかりません』とだけ言われても、何の案件のどこの何がわからないのかなど、詳細を聞き出さなくてはいけなくなるので、非常に時間がかかります。

『○○の案件について、質問があるのですが5分ほどお時間いただけますか?』
『○○の案件について5つ質問したい点があるのですが、ご都合つくお時間ございますか?』

上記のように『何の件』『どれぐらいのボリューム』『どれくらい時間が必要』なのかを丁寧に説明すると相手も丁寧に回答してくれます。

相手が回答しやすい様に質問する

相手に『YES』『NO』で答えられるように質問すると回答しやすいです。
極端な例えですが、『おなか空いた』といわれるより『○○食べたい』と言われた方が回答しやすいのと同じです。

いきなり『どうやればいいですか?』と質問されると『なにがどこからわからないんだ?』となり回答する側の手間を増やすことになります。

同じ質問でも言い方を変えて『○○の件の○○についてなのですが、こういう認識でよろしいですか?』と質問されると『どの案件』『なにがわからない』というのがすぐ把握できるので『YES』『NO』で回答出来その時点で間違っていたら軌道修正も可能になります。

同じ質問は繰り返さない

これは『同じ質問をしない』ではなく、『前回よりも改善する』という意味です。
いくら温厚な人でも同じことを毎回質問されると教えたいという意欲が無くなっていきます。

同じ質問だったとしても言い回しを変えて『同じ質問をして申し訳ありません。ここまではできたのですが、ここからがどうしてもわからなくて』という風に質問されると『あっ、この人はしっかりと努力しているんだな』と思われます。

説明が理解できない場合は正直にわからないと伝える

説明を受けて理解できなかった場合は、『申し訳ないのですが、理解できなかったのでもう一度説明していただいてよろしいでしょうか?』と聞き返します。
かなり勇気がいると思いますが、不明点を放置していると最終的に自分が困り一緒に働いている方にも迷惑をかけてしまいます。

もし口頭で説明されるより文字や図を使ったほうが理解しやすい場合は隠さないで、説明の仕方の変更を依頼した方が、やり取りの時間が少なくなり作業を円滑に進めることができます。

丁寧にお願いされたら上司・先輩は対応してくれるはずです。

さいごに

利用者さんの質問に対して回答する際、口頭、図解、動画、一緒にやるなどを実践していますが、まだまだ利用者さんの質問の意図を汲み取るのは難しいと感じています。今後も引き続きトライアンドエラーで一緒に課題を解決できるように精進していきます。

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