強度行動障害研修(実践編)を受講して 指導員・K

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【今回の研修をうけるにあたって】

2021年2月に会社から機会を頂き強度行動障害研修を受けさせていただきました。私は、去年の2月に熊本で基礎研修を受講させて頂き、丁度一年を経て実践研修を受講いたしました。

 

前回の研修後に学んだ事も多くあり、この一年様々な経験や知識の上積みを行う事が出来ました。今回の記事では、令和3年2月の強度行動障害研修(実践編)で新たに学んだ事、この一年で学んだ事を含めてまとめみました。

 

 

【1.強度行動障害とは?】

 

今回の研修テーマである強度行動障害ですが自傷、他傷、こだわり、もの壊し、睡眠の乱れ、異食、多動など本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態を意味する用語。(強度行動障害研修内 資料抜粋)元々の障害ではなく、その方の現在の状態を表す名称です。

 

今回の強度行動障害研修中、研修を通して講師の方が繰り返しおっしゃっていた事は

【「困らせている」ではなく「困っている」をまずは理解しましょう。】という事でした。

 

【2.症状を理解し更に伝えるとは?】

 

自閉症スペクトラムの方は強度行動障害との関連性が高いと言われています。そこで強度行動障害研修の中では自閉症をしっかりと理解する事、学ぶ事が強度行動障害を理解する近道になります。

自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。およそ20~50人に1人診断されると最近の調査で報告されております。

 

2ー1.伝える事の難しさ

まずは、こちらのイラストをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのイラストをご覧いただき何を感じられましたか?

「公園・・・」

 

「どこかの広場・・・」

 

など人によってとらえ方は様々だと思います。全体をとらえそのイラストを判断する事もあるかと思いますが、一方で自閉症の方はピンポイントの情報に目が行きやすいそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えば

「滑り台がオレンジ」

「ブランコが水色」など

予め自閉症の方の情報のとらえ方の特徴をしっかりと把握しておくことで「上手く伝わらない…。」という事が減り利用者さんにとっても職員にとってもいい方向に進みます。

このようなイラストがある事で一緒に確認していく中での物事の情報共有は比較的行いやすいと思います。

 

しかし、この様なイラストが無い場合も少なくないかと思います。電話や口頭でのやり取りも日々の支援の中には多いかと思いますがその際には言い方、伝え方、伝達手段により利用者の方への伝わり方は大きく変わります。

・話し言葉

・曖昧な言い方

・抽象的な言い方や表現

この3点はその内容や伝え方に注意が必要です。

例えば、「ちょっと」 「すこし」 「真面目に」 「しっかり」などの表現は人によってその量や感覚は異なり特に伝わりにくい表現になります。

 

しかし、「ちょっと待って下さい」から「1分待って下さい。」に伝え方を変える事でその伝わり方は格段に変わり確実に伝わりやすくなります。曖昧な言い方は避けるだけで利用者さんとの情報の伝達は大きく変わります。

ここからは、プラスで「目に見えるツールの使用」による情報の伝わり方の違いについて触れていきます。

 

 

2ー2.視覚的に伝わるツールを使用する。

 

たとえば、カフェに入り「何か頼みますか?お茶をのみますか?コーヒーを飲みますか?」と伝えたとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、伝えられた側は

 

・どんなコーヒーなのか?

・ホットなのか?

・アイスなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・どんなお茶なのか?

・ホットなのか?

・アイスなのか?

質問や気になる事が多くご本人が混乱されることもあるかもしれません。

 

【では、次のイラストをご覧ください。】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お茶のみますか?コーヒー飲みますか?」

先ほどと同じ質問でもイラストが加わった事で相手に伝わりやすくなりました。大きく手法を変えるのではなく利用者さんにあった方法で取り組んでいく事が大切です。

また、支援の中でもこのようなケースは少なくないと思います。イラストの使用は一例ですがそれぞれの利用者さんにとって伝わりやすい方法で試行錯誤していきたいと思います。

 

【3.そもそも支援とは?】

【他者を支え助ける事。】

支援の中では、気持ち + 気力・体力 + 知識 + 技術 が必要になります。

この中で一つでも欠けると良い支援には結びつかない事が多いです。

しかし、「支援は理解に始まり理解に終わる」研修中に頻繁に講師の方が仰っており、

まずは利用者さんに寄り添う気持ちが大切だという事を研修中で再認識する事が出来ました。

 

利用者さんは「困らせている」ではなく「困っている」をまずは理解し、「支援は理解に始まり理解に終わる」と頭に入れる事で今日から違う支援になると思います。

 

更に、障害をしっかりと理解していく事で行動にはなんらかの理由があるわかりしっかり分析、理解、対応が出来るようになります。自閉症の障害特性、環境や状況、行動の背景をしっかりと分析していく、憶測やこれまでの経験だけで判断しない事が大切ですと講師の方から言われ、日々の支援記録の振り返りや職員間での情報共有の大切さを再認識する事が出来ました。

 

【4.今回のまとめ】

去年に引き続き研修を受ける機会を頂きありがとうございました。貴重な2日間を過ごすことが出来ました。前回の研修を受けさせて頂いた後に、支援について1つの指標を見つける事が出来ました。今回の強度行動障害研修【実践編】でより強く今後の支援に対しての自信になりました。他事業所の方々とテーマごとにディスカッションを行う時間も多くあり自社以外の意見や経験談などをお聞きする事が出来ました。支援には「これ!」という正解はないとよく言われますがまさにその通りで日々サービス管理責任者や他職員と情報共有やアドバイスをする、される事でそれぞれの利用者さんにあった支援が見つかると考えています。今回研修で学んだ多くの事を活かす事が出来るように日々取り組んで参ります。

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