「グループ演習」強度行動障害支援者養成研修(基礎研修編)指導員N・M

今回は、withコロナ時代の研修という事で、充分な感染防止対策の元で行われました。定期的な感染防止対策に加え、フェイスガード着用で安心できる研修でした。
このようなグループ研修に於いて参加者の皆さんが意見や考えを広げていくために必要なことは、聞く姿勢(目で聴き、聴いていることを態度で示す=うなずく)、発言するマナー(わかりやすく発言しできれば理由も付け足す)、質問する際のマナー(人格を否定したり他の方の発言・意見を頭ごなしに否定しない)を守って取り組むことです。
必要な意見は勇気をもって発言し、全員参加・全員発言で盛り上げることができて、より良い演習ができました。

研修を受けてみての感想は、グループでの活動になるので役割分担をして、テーマを議論してくのですが、自分では考えつかないような意見が出ていろんな考え方があるという事が大変勉強になりました。

Contents

1.コミュニケーション機能とは?

一般的に「行動には何らかのコミュニケーション機能」があると考えられています。
要求  :(必要、または当然なこととして)相手に強く求める事
注意喚起:周囲の人に対して、注意を向けさせること、意識させること
拒否  :他者からの要求や提案、働きかけなどを断る事
その他 :喜怒哀楽などの感情表現。挨拶などの社会的慣習など
 更に、話し言葉に置き換えてみるとわかりやすくなります。

今回の演習で2つのモデル事例を紹介します。

1.1モデル事例1

特定の利用者を突き飛ばすAさんのコミュニケーションの機能を考えてみます。この行動を話ことばに置き換えてみると
例)特定の利用者の姿を見たくない  →拒否
例)特定の利用者の声を聞きたくない →拒否
コミュニケーションの機能は“拒否”と推測されるので、特定の利用者との時間をずらすなどを実施する等の支援が考えられます。

1.2モデル事例2

突然、公園で服を脱いだ後、衣類を両親に持っていくBさんのコミュニケーションの機能を考えてみます。
この行動を話ことばに置き換えてみると
例)服が濡れたので交換してほしい →要求
例)服を持っていて欲しい     →要求
例)汗で濡れて気持ちが悪い    →不快
コミュニケーションの機能は“要求”・“不快”と考えられる機能の背景に、「衣類が水に濡れる感覚が苦手(特定の感覚が過敏)」といった障害特性があることが推測されます。

2.氷山モデルで考える

氷山モデルを使って行動の背景の捉え方を用いることが重要です。
行動の背景には、「障害特性」と「環境要因」があり相互に作用して表面上の行動に現れます。

3.まとめ

氷山モデルを用いて「障害特性」と「環境要因」を整理し、課題となっている要因を明らかにすることが根拠に基づいた適切な支援の第一歩になります。
そして、環境を整備することで本人の行動上の問題が起こりにくくなり、情緒が安定し穏やかな日々の生活が送れるようになります。
今回のグループ演習の研修を修了する事で更に具体的な支援方法の考え方を学ぶことができました。今後のより良い支援に役立てていこうと思います。

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