生活保護ってどんなの?

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「健康で文化的な最低限度の生活」って
「健康で文化的な最低限度の生活」というテレビ番組があったこと覚えてますか?
この番組は、新任ケースワーカーが生活保護利用者の家庭と向き合ってゆくものでした。内容は少し大げさな所もありますが、事実に基づいた番組でした。「健康で文化的な最低限度の生活」ってどのような生活なのか考えさせられました。
今回は、生活して行くための最後の砦である生活保護制度について投稿したいと思います。
令和元年5月現在、全国で生活保護を約162万の家庭が利用しています。内訳は高齢者世帯90万、障害者世帯20万、傷病者世帯20万、母子世帯8万、その他世帯24万となっています。
生活保護の目的は、何らかの理由で働けなくなった方に、国が生活を援助して、生活の再建(自立)をめざすことです。しかし一度生活保護受給するとなかなか自立できないのも現実です。
生活保護を受けるには
生活保護は、病気やケガで働けない、頼れる親族がいない、財産や預貯金もないなどの理由で「健康で文化的な最低限度の生活」ができない時に福祉事務所に申請をすると受給できます。
生活保護申請すると、預貯金、有価証券、生命保険、財産(不動産や車)、親族の状況など調査されます。調査の結果、認められると生活保護が決定されます。
生活費(保護費)は、国が定めた「最低生活費」より収入が少ないときに支給されます。最低生活費の額は、家族の状況、居住地、世帯の収入等で変わります。
例えば、最低生活費が12万円で障害年金が6万5千円であれば5万5千円が生活費として支給されます。年金額が「最低生活費」よりも少ないため、生活保護を利用される方も少なくありません。
生活保護でどうなる?(原則であり例外もあります)
生活保護が開始されるといろんな制限や義務があります。一例として次に挙げていますがこれ以外にも「しなければならないこと」「してはならないこと」があります。わからないことがあれば、担当ケースワーカーに相談することが大事です。
・不動産(土地や家)は売却してもらいます。借金は整理(破産宣告等)することになります。
・アパートの家賃に上限があり、上限を超える住宅へは入れません。
・新たに借金はできません。借金が発覚すれば収入とみなされます。
・自動車は運転も所有もできません。原付バイクは使用目的により所有できます。
・電化製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫等)で生活に必要なものは所有できます。
・貯蓄性の生命保険は解約、安価な医療保険等は加入できますが、保険金は返還になります。
・働ける能力があると判断されたら、能力に応じて働いてもらいます。
・収入があってもなくても「収入申告」の報告義務があります。
・医療費については、本人負担はありません。国民健康保険から外れます。
・40歳以上は介護サービスを受けられます。医療費と同様本人負担はありません。
・短大、大学進学は認められません。進学したときは保護家庭とは別な世帯となります。
生活に困ったら生活保護制度を
病気やケガ、失業などにより働けなくなり、生活困窮に陥る可能性は誰にでもあります。このような場合でも、全ての人が安心して生活を送ることができるための制度が生活保護です。
生活に困ったら一人で悩んでないで相談しましょう。
味方になってくれる人がいるはずです。