島のある日常: 県外の人には驚かれる「灰」との付き合い方や、今日見えた桜島の表情。


皆さん、こんにちは。スマートワーク合同会社に入社して、もう15日が経ちました。今回は、桜島の「灰」との付き合い方や、今日見えた桜島の表情などについてお話したいと思います。

朝、カーテンを開ける前に、「今日はきっと降っているな」と、なんとなく気配でわかる日があります。雨でも雪でもない「灰」のことです。窓の外は一見いつもと変わらないのに、空気が少しだけ重たいと感じることがあり、ベランダの手すりや車のフロントガラスにうっすら積もる細かい粒子を見て「やっぱりな」と思うことがあります。

鹿児島で暮らす私たちにとって、灰は特別な出来事ではありません。洗濯物を外に出すかどうかを判断する基準のひとつであり、天気予報と同じくらい火山情報を気にする日常の一部です。けれど、この話をすると県外の人は決まって驚きます。説明しようとしても、なかなか実感として伝えるのは難しいです。

例えば、白いシャツを外に干して、取り込んだあとに軽くはたく動作は花粉やホコリだけじゃなく、灰を落とすためでもあります。車はしばらく放っておくと、うっすらグレーにコーティングされ、ワイパーをそのまま動かすと傷の原因になるから、先に水で流すのが当たり前です。玄関先には灰を掃くためのほうきやちりとりが常備されているし、灰が溜まる地域では専用の集積所にまとめて出します。

観光で訪れた人が、うっすら積もった灰に気づいて写真を撮っているのを見かけることもあります。「これが噴火の影響なんだ」と、どこか非日常として楽しんでいる様子が見られます。それはそれで、この土地ならではの風景として受け取ってもらえるのは嬉しいです。でも、私たちにとってはそれが“いつものこと”であり、わざわざ特別視するものでもないです。

今日の桜島は、午前中から午後にかけて、小さな噴煙が上がる予想がされています。朝から、曇り気味のせいか、山肌の陰影までよく見える、穏やかな表情ではありませんでした。慣れているとはいえ、やはり目に入ると少しだけ気を引き締めることもあります。風向きによっては、こちらに灰が流れてくるからです。

県外の友人がいない私にとって、この日常を直接共有する機会はほとんどないです。だからこそ、たまに観光客の反応を見ると、自分たちの当たり前が、誰かにとっては新鮮で、驚きに満ちたものなのだと気づかされることがあります。灰に困ることもあるし、正直面倒だと思う日もあります。それでも、この土地の風景やリズムの一部として、自然に折り合いをつけて生きています。

明日の朝、またカーテンを開けるとき、同じように気配でわかるかもしれません。「降っているかどうか、桜島がどんな表情をしているか」それを確かめることから、私の一日が始まります。

(文・構成:佐伯)

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