神社の境内と黒い蝶の記憶|途切れた道と諦めない宝物の話【鹿児島市A型事業所】

神聖な場所と黒い蝶の教え
神聖な場所で黒い蝶々があなたの近くを舞うとき、それはあなたを想う亡き人が近くにいるとき。または、神の使いとも言われるらしい。
なんて、誰かから聞いた言葉をおまじないのように今もずっと、信じている。
神社で働いてるときだったと思う。
私の周りには、よく黒い蝶が舞うと言われた。
そのときの宮司さんにかけてもらったそんな記憶の感覚がある。
そしてこうも言われた。
あなたのことが、心配なのだろうと。
そんな誰かがきっといるのかもしれない。
だからあなたは守られている、神様にも。

息を吹き返す大切な記憶
ああ、忘れていた記憶が鮮明に息を吹き返すのは、大事なものだったから。
いま、書くことで、ひとつひとつ傷口が蘇生されていく。
とまっていた時間も感じさせないほど、鮮やかに美しく。
あの場所が大好きだった。
思い出せないほどに苦しく、私は壊れていったが、それすらも本望だったのかもしれない。
何度目かの人生でも、私は同じ石を投げるだろう。
その川に吞まれると知りながらも。
私の骨まで流してほしい。
後悔と残された宝物
人生でやり直したいことがあるとしたら、そこに最期のその時までいたかったこと。
そのための選択を間違えてしまったこと。
宝の地図はそこに置いてきた。
写真は、その時奉仕していた時の写真。
もう戻れない。
けれど宝物だ。
合わせる顔もない。
それも本音だ。

確かな感触とこれからの道
でもまだ諦めてない。
宝を捨てたわけじゃない。
もう、そこに道はないのかもしれない。
けれど私の体には残る確かな記憶と感触を。
いつかまた、帰れるまで。
言葉を編むということの儚さと信じるということの脆さ。
悲しくない。
私の言葉にはきっと残ってる、それを信じてる。
無駄なことなんてなかったよ。
蝶も人も経験も、宝はあったよ。
どうか忘れないで、今を生きて。

≪文:はる / イラスト:はる、威(TAKESHI)≫
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