就労定着支援で気づいた「働く」ために本当に必要な3つのスキルとマインド 【鹿児島市A型事業所】
就労移行支援などの「利用者」という立場から、実際に企業で働き始め、「就労定着支援」を受けるフェーズへと進むと、求められる役割や環境はガラリと変わります。
利用者のときは「自分の目の前の仕事や課題」だけに集中していればよかったかもしれません。しかし、一歩社会へ出ると、自分のことだけをこなしていれば良いという環境ではなくなります。
今回は、私が就労定着支援に入ってから身に染みて気づいた、「職場に必要とされる人材」になるための3つの必須スキルと心構えについて、実体験を交えながら詳しく解説します。
1. コミュニケーション力の重要性(挨拶・報連相・適度な距離感)
利用者の時期は、極端に言えば周囲と深いコミュニケーションをとらなくても、自分の作業さえ終わらせれば問題ありませんでした。しかし、定着支援の段階(実際の職場)では、自ら周囲に声をかけ、丁寧に分かりやすく伝える「能動的なコミュニケーション力」が強く求められます。
具体的には、以下のような行動が必要です。
- 職場のメンバーの名前をしっかりと覚えて呼ぶこと
- 朝礼や号令の時に、機嫌よく元気な挨拶をすること
感情の波とどう付き合うか
人間である以上、日によって体調や気分の波(喜怒哀楽)があるのは当然です。私自身、自分の感情が表に出やすい性格のため、調子が良いときは明るく振る舞えても、体調が悪いときやイライラしているときは、周囲を近づきにくくさせてしまうという課題がありました。
誰しも、褒められたり良い言葉をかけられたりすれば、たとえそれが社交辞令であっても嫌な気分にはなりません。逆に、理不尽なことを言われたり否定されたりすれば、内心傷つき、神経をすり減らしてしまいます。表面上は取り繕っていても、無理をしすぎるといつか心身のバランスを崩しかねません。
職場は、多かれ少なかれ人間関係を必要とする場所です。だからこそ、「相手を不快にさせない配慮」をしつつ、感情に振り回されないよう「適度な距離感」を保ちながら仕事を回していくことが、長く働き続けるための鍵になります。
2. 仕事を率先して行うこと(「指示待ち」の切り分けとチームワーク)
仕事の初期段階では、手取り足取り教えてもらえます。しかし、周囲がずっとお世話をしてくれるわけではありません。自ら進んで仕事を覚え、前に進む必要があります。
ここで重要になるのが、「指示待ちが必要なとき」と「そうでないとき」の切り分けです。
「指示待ち」が必要なケース
自分の独断で進めてはいけない仕事の場合、勝手に決めて動くのはNGです。その場合は、必ず以下のような確認(報連相)を行います。
- 「どこまで進めておけば良いですか?」
- 「今の作業を一旦保留にして、別の仕事をしていても良いですか?」
- 「これは自分から進めてよい仕事ですか?」
成果物の最終チェックとチームワーク
最初から与えられた仕事であれば、自分で最後までやり遂げる責任があります。しかし、出来上がったものを確認もせずに次の仕事へ進むことはできません。必ず「最終チェック」を依頼し、OKが出て初めて提出となります。
仕事は一人で行うものではなく、チームで行うものです。だからこそ、進捗の報告・連絡・相談(報連相)を徹底し、率先して動く姿勢が大切なのです。
3. やる事を自分で見つける努力(信頼を勝ち取るサイクル)
与えられたことだけを淡々とこなしていれば、それで100点というわけではありません。自らできる仕事を見つけ、スキルを身に付ける努力が必要です。
例えば、自分の担当業務が一段落して、やることがなくなったとします。このとき、何も言わずに席に座ったままでいるのは、状況を報告していない=悪い意味での「指示待ち状態」です。
職場には、見えないだけで山のように仕事が存在します。自分の仕事が終わったのなら、それをきちんと上司や周囲に伝え、「何か手伝うことはありませんか?」と自ら声をかけることが大切です。
信頼感を生み出す「報連相のサイクル」
自ら動くことで周囲の負担が減り、「この人は指示を待つだけでなく、自発的に仕事を進めてくれる人だ」という強い信頼感が生まれます。
信頼は一朝一夕には築けません。しかし、以下のサイクルを繰り返すことで、確実に周囲の目が変わっていきます。
- 自ら率先して仕事を進める
- 終わったら必ず報告し、次の指示を仰ぐ
- 新しい仕事に取り組み、終わったら再度報告する
会社という組織は、一人の人間では成り立ちません。自分の仕事の枠にとらわれず、他の仕事も率先してサポートしようとする「気持ち」があって初めて、周囲から信頼される社会人として認めてもらえるのだと、私は日々実感しています。
まとめ:自分の仕事の意識が定着への近道
就労移行の「利用者」から、就労定着支援を受ける側になって気づいた最大のポイントは、「自分の仕事だけをしていれば良いわけではない」ということです。
自ら周囲に声をかけ、進んで仕事を見つけること。そして、「挨拶・報告・連絡・相談」を泥臭く繰り返すこと。この積み重ねによって初めて仕事がスムーズに回り、自分自身の居場所(定着)が作られていきます。
これから就労を目指す方、また働き始めたばかりの方も、ぜひこの「3つの気づき」を意識して、日々の業務に取り組んでみてください。
《文:ニューヨーク》
