障がいを負ったとしてもそこで終わりではない。人との絆で「新たな自分」を生きる A型事業所
病気や障がいを抱えたら、これまでの自分は終わってしまうのではないか……」
そんな不安を抱えながら日々を過ごしている方は少なくありません。私自身、現在の持病と向き合い始めてから30年が経ちます。一生薬を飲み続けなければならない人生。救急車で運ばれた経験も一度や二度ではありません。
しかし、30年の月日を経て今、強く実感していることがあります。それは、障がいがあっても人生は終わらないということ。そして、人との繋がりこそが、自分らしい道を見つける鍵になるということです。
私の経験を通して、病気や障がいとの向き合い方、そして「自分らしく生きる」ためのヒントをお伝えします。
① 障がいを「意識する自分」と「無意識の強さ」
学生時代、私は自分の症状が人前で出ることを極端に恐れていました。「周囲から変な目で見られるのではないか」という不安。実際に職場などで症状が出て救急搬送されたこともあり、神経質になっていた時期もあります。
現在は主治医のサポートや新薬の助けもあり、日常生活に大きな支障はありません。面白いことに、職場などの「他人がいる環境」では、不思議と大きな症状が抑えられています。
これはおそらく、「人前で症状を出してはいけない」という無意識の緊張感が、自律神経に作用しているのでしょう。逆に、自宅に帰ってホッとした時や就寝時に症状が出ることが多いのです。
人間は一人でいる時は気が楽ですが、社会の中にいると適度な緊張感が生まれます。私の疾患に対する「意識の持ち方」は、この「社会の中での緊張感」を味方につけることでした。障がいを抱えていても、周囲に人がいる環境に身を置くことで、無意識に自分を律しているのだと感じています。
② 他人と比較しても始まらない。人生の「良し悪し」は自分が決める
障がいの有無に関わらず、私たちはつい他人と比較してしまいがちです。「あの人はあんなにできるのに、自分は……」と。
しかし、どれほど能力がある人でも、一人で全てを完結させることは不可能です。社会は多様な人間がそれぞれの役割を全うし、コミュニケーションを取り合うことで成り立っています。
他人と比較して嫉妬したり、自信を失ったりすることは、本来の自分の力を削いでしまうことになりかねません。他人と自分は、育った環境も価値観も全く別の生き物です。
承認欲求と自己決定のバランス
人間は「認められたい」という承認欲求があります。しかし、他人の目ばかりを気にしていると、自分の人生を他人に委ねることになってしまいます。
また、家族で血は繋がっていても考え方や価値観は全く同じではありません。相手の感情に振り回されて消耗するのはもったいないことです。
他人はあなたの人生を肩代わりしてはくれません。
「どう生きていくのが自分にとって幸せか」
これをどう選択し、生きていくのかを決めるのは自分自身です。自分が納得できる生き方を選んでいるなら、他人が何を言おうと堂々と生きていけばいい。それが人間本来のあり方ではないでしょうか。
③ 人との繋がりが「自分らしい道」を照らす
「人付き合いは疲れる」と感じることもあります。私自身、疲弊している時は誰とも話したくないと思う日もあります。
しかし、ずっと一人で殻に閉じこもっていては、心の刺激もなくなり、喜びを感じる機会も減ってしまいます。ことわざに「他人は自分を映す鏡」という言葉がありますが、人との関わりの中でこそ、自分でも気づかなかった自分の強みや特性が見えてくるものです。
目標に向かって努力するのは自分自身ですが、その「進むべき道」のヒントは、意外にも人との会話や交流の中に落ちています。人との繋がりは、決して無駄ではありません。
結びに:立ち止まらず、吸収し続ける生き方
障がいや疾患で悩んでいたとしても、そこで人生の歩みを止める必要はありません。
人との繋がりを持ち、そこから何かを吸収し、少しずつ自信を付けていく。例え持病が完璧に治らなくても、薬を飲み続ける日々であっても、人との絆の中で「新たな自分」を更新し続けることはできます。
「障がいがあるから」と諦めるのではなく、「障がいと共にどう人と関わっていくか」を考える。それが、自分らしい人生を切り開く第一歩になると、私は信じています。
《文:マンハッタン》



