カインド事業所7年目の軌跡:未経験からのPCスキル習得と「書く仕事」への挑戦。A型事業所
「今の時代、PCが使えて当たり前」――。 そんな言葉を耳にするたび、焦りを感じていた時期がありました。鹿児島市の就労継続支援A型事業所「カインド事業所」に籍を置いて今年で7年目。
この歳月は、私にとって「ただの通所期間」ではなく、自分の無力さと向き合い、新しい武器を手に入れるための格闘の記録でもあります。
今回は、PC未経験だった私が7年間で何を学び、現在はどのような責任ある業務に携わっているのか、その歩みを振り返ります。
1. 40代、未経験からのPCスキル習得:なぜ「事務」だったのか
カインド事業所に来るまで、私は接客業やクリーニング会社、そして薩摩川内市の事業所での農作業など、PCとは無縁の世界で働いてきました。
特に田舎での農作業は過酷で、真夏の炎天下での種まきや収穫、草取りは体力勝負。若いうちは乗り越えられましたが、40代を迎えた今、同じことができるかと言えば正直無理だと言わざるを得ません。
鹿児島市へ移り、内職や清掃といった「単純作業」も経験しましたが、そこに「やりがい」を見出すことはできませんでした。そんな中で出会ったのが、PC作業を中心とするカインド事業所です。
現代の求人票を見れば、事務職に限らずPCスキルは「必須」の条件です。WordやExcelの基本操作ができなければ、土俵にすら上がれません。会社はボランティアではなく、給与に見合った成果を求める場所。だからこそ、「自分には何ができるのか」という問いに対し、明確なスキルで答える必要がありました。
2. 「不器用」を努力でカバーする:タイピングとショートカットキー
PC作業を始めた当初の私は、ショートカットキーの使い方すら知らない初心者でした。しかし、学びを進めるうちに、これらが「時短」という大きな価値を生むことを知りました。
ショートカットキーの習得 現在では、コピー&ペースト(Ctrl+C/V)や保存(Ctrl+S)はもちろん、作業効率を高めるキーを無意識に使いこなせるようになっています。
タッチタイピングへの挑戦 PC作業の基本はタイピングです。キーボードを見ずに打つ「タッチタイピング」を習得するため、毎日タイピングゲーム等で目標を持って練習してきました。
プログラマーのような猛スピードタイピング 元々手先が不器用なため、プログラマーのようには猛スピード。正確に打つ。これには及びませんが、当初に比べれば格段にスピードと正確性が向上しました。
こうした「日々の繰り返し」こそが、福祉事業所における最大の訓練です。データ入力という実務を通じて、確実に私のスキルは磨かれていきました。3. 就労定着支援での新たな役割:指示待ちから「発信者」へ
現在、私は「就労定着支援」という重要なフェーズにいます。これは、職場に定着できる人材になれるかどうか、自分自身が試される半年間です。利用者の時とは異なり、現在はスタッフの補佐的役割として、以下の責任ある業務を担っています。
徹底した時間管理
朝礼・終礼、小休憩時の声掛け。一見簡単そうに見えますが、自分の作業に没頭しているとつい時間を忘れてしまいます。
私は対策として、机の上にスマホを置き、時刻を大きく表示させることで「1分の遅れも出さない」環境を自ら作りました。これは、一般企業でも通用する自己管理術です。
ブログ運営と企画力
現在は「スタッフブログ」の執筆に加え、他の利用者さんが書くブログの「テーマ決め」も担当しています。
これまで(利用者の時)は与えられたテーマを書くだけでしたが、決める側に回ると、その難しさがわかります。「書きやすさ」と「読み手の関心」を両立させるテーマ選びには、常にアンテナを張らなければなりません。
AI×SEO対策の導入
私にとって文章を書くことは、唯一の得意分野です。現在は、自分の書いた文章をAIでSEO対策(検索エンジン最適化)を講じながら整え、WordPress(ワードプレス)を使用して公開作業まで行っています。
論点がずれない文章構成
読みやすい段落分けやフォント調整
内容を補完する画像・写真の選定
こうした一連の流れを経て、会社のホームページを充実させる。私の書いた記事がきっかけで、外部から見学や体験の方が来てくださる――。
そこに、これまでの単純作業では得られなかった大きな「やりがい」を感じています。4. まとめ:7年目の決意
カインド事業所での7年間で学んだ最大のことは、「宿命は変えられなくても、自分を磨くことはできる」ということです。
資格の勉強が続かず、根気がない自分に嫌気がさしたこともありました。しかし、目の前の仕事を一つひとつ丁寧にこなし、今の「スタッフ補佐」という役割をいただけるまでになりました。
この半年間の試用期間を全力で駆け抜け、会社にとって「なくてはならない存在」へと成長していく。
障害を理由に立ち止まるのではなく、PCという道具を使い、言葉という武器を磨いて、自立した未来を切り開いていきたいと考えています。
《ベルリン》




